訪問と注文

仙台の人気店「嘉一(かいち)」さんへ、昼どきにうかがいました。店頭にはすでにお客さまの列ができており、入店まではおよそ20〜30分ほどの待ち時間でした。木の温もりが感じられる店内はカウンターが中心で、落ち着いた空気のなか、皆さまが静かに一杯と向き合っていらっしゃいます。
今回は中華そば 醤油味(税込930円)に、Bセット(鶏皮+ご飯/税込190円)を合わせて注文いたしました。食券をお渡しすると、すぐに鶏の香りがふわりと立ち、期待が自然と高まります。
一杯の印象とBセットの楽しみ方

丼を受け取ってまず目を引くのは、澄んだ琥珀色のスープの美しさです。ひと口含むと、雑味のない鶏だしの旨味がじんわりと広がり、醤油の香りがきれいに抜けていきます。脂は控えめで口当たりは軽やかですが、芯には確かなコクがあり、思わずもうひと口、もうひと口とレンゲが進みます。
麺は中太のちぢれ麺。ぷりっとした弾力が心地よく、表面にスープをしっかり抱き込むので、一啜りごとに小麦の香りと鶏の旨味が調和いたします。茹で加減も絶妙で、終盤まで緩まず最後の一口までおいしくいただけました。
トッピングは柔らかな鶏チャーシュー、香りの良いメンマ、そして青ねぎ。どれも過不足なく、主役のスープと麺を引き立てる名脇役という印象です。
そして今回はBセットが大きな決め手になりました。ぷるっとした食感の鶏皮をスープにさっと潜らせ、白ご飯にのせていただくと、鶏皮のコク、スープの旨味、米の甘みが一体となり、箸が止まらなくなります。ラーメンの余韻を別角度から増幅してくれる“もうひとつの主役”で、190円とは思えない満足感でした。スープが澄んでいるからこそ、重さが出過ぎず、最後まで心地よく楽しめます。
まとめ
派手さよりも素材の良さと丁寧な仕事が光る、端正な中華そばでした。澄んだ鶏だし、絡みの良いちぢれ麺、上品なトッピング、そして鶏皮×ご飯の幸福感まで、どこを切り取っても隙がありません。行列込みでも十分に納得できる体験で、仙台で王道の一杯をお探しの方に自信をもっておすすめいたします。次回は塩味もぜひいただいてみたいと思います。ごちそうさまでした。



