仙台銘菓として長く親しまれている、九重本舗 玉澤の「杜のゆべし」をいただきました。

ゆべしと聞くと、どこか素朴で昔ながらのお菓子という印象がありますが、実際に食べてみると、そのイメージを良い意味で超えてくる、上品で奥行きのある味わいが魅力でした。

包みを開ける前から、どこか落ち着いた和の雰囲気が漂っていて、老舗ならではの品の良さを感じます。手のひらにちょこんとのる小ぶりなサイズ感もかわいらしく、お茶の時間に少しだけ和菓子を楽しみたいときにもぴったりです。

九重本舗 玉澤の「杜のゆべし」について

公式サイトによると、「ゆべし」は約350年前から続く、現存する銘菓の中でも非常に古いものの一つとされているそうです。もともとは柚子を使った保存性の高い菓子だったことから「柚餅子」と書かれ、伊達家にも古くから伝わる菓子として受け継がれてきました。

九重本舗 玉澤では、時代の中で製法の研究と改良を重ね、現在は柚子の代わりにくるみを使用。くるみの脂肪分によってやわらかさを保ち、さらに味噌ではなく醤油を用いることで、砂糖・醤油・くるみが調和した、独自の深い味わいへと仕上げているとのことです。

長い歴史を持ちながら、今のかたちに磨き上げられてきた背景を知ると、ひと口いただく時間にも自然と特別感が生まれます。

見た目について

まず印象的なのは、表面にうっすらとかかった粉と、きれいな四角いフォルムです。派手さはないものの、落ち着いた飴色の生地からは、どこか凛とした美しさが感じられます。

カットした断面を見ると、中にはくるみがごろごろと入っていて、見た目からも食感の楽しさが伝わってきます。艶のある生地はねっとりともっちりしていそうで、和菓子好きにはたまらないビジュアルです。

個包装の包みも上品で、仙台土産として親しまれている理由がよくわかります。気軽に配りやすく、それでいて老舗らしいきちんと感もあるので、贈り物にもぴったりだと感じました。

食べてみた感想

ひと口食べてまず感じたのは、生地のもっちりとしたやわらかさです。ゆべしというと、もう少し硬さのあるものを想像していましたが、こちらはしっとりとしていて口あたりがなめらか。噛むほどにやさしい弾力があり、心地よい食感が続きます。

味わいは、甘さが前に出すぎず、醤油のコクがじんわり広がるのが印象的でした。ただ甘いだけではなく、ほんのり香ばしく、どこか落ち着きのある和の旨みが感じられて、とても上品です。そこにくるみの香ばしさとほのかな渋みが重なることで、味にしっかりとした深みが生まれています。

特に良かったのは、くるみの存在感です。やわらかな生地の中で、くるみのコリッとした食感がアクセントになっていて、単調になりません。もっちり、ねっちりとした生地に、香ばしいくるみの食感が加わることで、ひと口ごとの満足感がしっかりあります。

お茶と合わせるのはもちろんですが、個人的には濃すぎないコーヒーとも相性が良さそうだと思いました。和菓子らしい落ち着きがありながら、くるみの香ばしさがあるので、洋の飲み物とも自然になじんでくれます。

まとめ

九重本舗 玉澤の「杜のゆべし」は、長い歴史を感じさせながらも、とても食べやすく、今の感覚でもしっかりおいしいと感じられる仙台銘菓でした。

もっちりやわらかな生地、醤油のやさしいコク、そしてくるみの香ばしさ。それぞれが主張しすぎず、きれいに調和していて、老舗ならではの完成度の高さを感じます。

派手さよりも、じんわりとおいしさが広がる和菓子が好きな方には特におすすめです。仙台土産としてはもちろん、自宅でほっと一息つきたいときのお茶菓子にもぴったり。長く愛されてきた理由を、実際に食べてよく実感できる一品でした。